東京都のポイ捨て禁止条例はなぜ検討されるのか、観光客増加と渋谷区・新宿区の条例との違いを読む

東京都のポイ捨て禁止条例はなぜ検討されるのか、観光客増加と渋谷区・新宿区の条例との違いを読む

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この記事のポイント

  • 東京都が観光客増加を背景に検討するポイ捨て禁止条例の狙いを整理
  • 渋谷区の過料2千円は1412件で日本人が74%
  • 新宿区の条例との違いと、過料など未決定の論点も読む

2026年9月18日、小池百合子都知事が都議会の所信表明で、ポイ捨て対策の条例化を含めて検討する考えを示した。昨年の訪都外国人旅行者は2865万人で、3年連続の過去最多だった。繁華街のごみ放置が、都全体で対策を考える論点になっている。

東京都はなぜ、観光客の増加を背景にポイ捨て禁止条例の検討を始めたのか。渋谷区や新宿区がすでに条例を持つ中で、都が定める意味はどこにあるのか。

要点

  • 知事は2026年9月18日の所信表明で、ポイ捨て対策を条例化を含め検討すると述べた
  • 共同通信によると、都の狙いは区ごとの規制対象のばらつきを抑え、広域で一括して対応することだ
  • 過料を取るかどうかは未定で、飲食料の販売業者や容器の製造業者に課す責務も議論される予定だ
  • 渋谷区は6月から過料2千円を徴収し、9月24日時点で1412件、単純計算で約280万円になった
  • 渋谷区で過料を受けた人の内訳は、日本人74%、外国人26%だった

都が条例化を検討する理由

都庁が公表した所信表明の原文によると、知事は「観光地や繁華街ではごみのポイ捨てが問題となっています」と述べた。観光の発展には地域生活との調和が重要だという文脈の中で出てきた発言である。

都はこれまで、区市町村や事業者と連携した「オール東京」の呼びかけと、スマートごみ箱の設置支援を進めてきた。所信表明はその上で、専門家等を交えて実効性のある対策を、条例化を含め検討すると述べている。

共同通信は9月17日、都関係者への取材として、新型コロナ禍後の観光客増加で都心の繁華街に放置されるごみが増えていると伝えた。次に、区の条例との関係を見る。

区ごとの条例では足りない点

共同通信の報道では、都内ではすでに渋谷区と新宿区が条例を設けている。都が定める狙いは、区ごとに規制の対象がばらつくのを抑え、広域で一括して対応できるようにすることだと伝えられた。

区ごとに条例があれば、対象や罰則は区によって変わる。都が一つの枠組みを置けば、この差を小さくできる。

河原でのバーベキュー後のごみも問題で、都は規制の対象にするごみや行為、重点地区を指定する必要性を検討するという。条例の対象は、繁華街に限らない可能性がある。

渋谷区の過料は何を変えたか

渋谷区は条例を改正し、6月から路上でポイ捨てをした人にその場で2千円の過料を取っている。以前の罰則は「罰金」で、刑事手続きが必要だった。過料は徴収しやすい。ビジネス・インサイダー・ジャパンによると、9月24日時点の累計は1412件、約280万円だ。

内訳は日本人74%、外国人26%で、国籍別の集計はない。過料の対象は観光客だけではなく、むしろ日本人が多数を占める。「観光客のごみ」という見方だけでは、この数字は説明できない。

渋谷区は事業者にも義務を課した。繁華街の自動販売機やコンビニ、カフェなどにごみ箱の設置を求め、応じなければ事業者名を公表して5万円を徴収する。設置率は施行前の68%から、9月17日時点で91%に上がった。5万円の徴収に至った例はまだない。

過料を受けた人は日本人が多い。この事実は、都の条例が「観光客対策」の名で語られても、実際には都民や通勤者を含む広い層が対象になりうることを示す。次に、もう一つの先行区を見る。

新宿区の条例が広げた対象

新宿区には「空き缶等の散乱及び路上喫煙による被害の防止に関する条例」がある。区の公式ページによると、従来の飲料の缶や瓶、たばこの吸い殻、ガム、紙くずに加え、10月1日から弁当や菓子、カップ麺の容器、ストロー、割り箸なども、ポイ捨て禁止の対象になる。

弁当やカップ麺の容器が対象に入ったことで、持ち歩いて食べる飲食物のごみが規制の範囲に入った。

このように、2区の条例は対象や仕組みが同じではない。渋谷区は過料とごみ箱の設置義務を組み合わせ、新宿区は対象物を広げた。都がどちらに近づけるのか、あるいは別の形にするのかは、まだ明らかではない。

都の条例で決まっていない論点

共同通信によると、都は過料を徴収するかどうか、飲食料の販売事業者や容器の製造事業者にどんな責務を課すかを、これから議論する。実効性を確保するには、監視や指導、過料徴収の体制づくりが課題になりそうだと伝えられた。

渋谷区の例では、10月31日のハロウィーンに向けて、ポイ捨て巡回員を通常の9人から35〜36人に増やし、その場で2千円を徴収する。人手をかけて見回ること自体が、過料制度の費用になる。広い都内で同じことができるかは、体制の設計次第である。

よくある質問

Q. 東京都のポイ捨て禁止条例はもう決まったのか?

決まっていない。知事は所信表明で、専門家等を交えて対策を検討し、その中で条例化も含めると述べた段階だ。条例の中身や過料の額は、公表された資料では確認できない。

Q. 都は過料を取るのか?

未定である。共同通信によると、過料を徴収するかどうかは今後の議論の対象だ。渋谷区が過料2千円を使っていることが、先行例として注目されている。

Q. 渋谷区ではどれくらい過料が取られているのか?

9月24日時点で累計1412件、単純計算で約280万円だ。8月末時点の963件から、約1か月弱で約450件増えた。

Q. 過料を受けているのは観光客なのか?

渋谷区の集計では、日本人が74%、外国人が26%である。国籍別の集計はないため、観光客だけの数は分からない。

Q. 新宿区の条例は何を禁じているのか?

区の公式ページによると、飲料の缶や瓶、たばこの吸い殻などに加え、10月1日から弁当や菓子、カップ麺の容器、ストロー、割り箸なども、ポイ捨て禁止の対象になる。過料の有無は、この案内ページには書かれていない。

Q. 河原のバーベキューのごみも対象になるのか?

共同通信によると、河原でのバーベキュー後のごみも問題になっており、都は対象とするごみや行為、重点地区を指定する必要性を検討する。対象になるかどうかは未定だ。

都が狙う区をまたぐ共通ルール

都が条例化を検討するのは、観光客の増加で繁華街のごみが増え、呼びかけだけでは足りなくなったからだ。区ごとにばらつく規制を、広域で一括して扱う狙いがある。

渋谷区の数字は、過料の対象が観光客に限られないことを示した。過料の有無、事業者の責務、監視の体制は、まだ決まっていない。次に注目すべきは、都がこの三つをどう組み合わせた案を示すかである。

なぜ流行っているのか?

東京都は繁華街のごみ放置の増加を受け、条例による統一ルールを検討している。背景には訪都外国人旅行者の増加(昨年2865万人)がある。ただし渋谷区の過料の内訳は日本人74%、外国人26%で、問題を観光客だけに結びつけるのは実態に合わない。区ごとに規制の対象が異なるため、都は広域で一括して対応できる形を探っている。過料の導入、事業者の責務、監視体制は未決定で、渋谷区の運用が先行例として参照されている。

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この記事の根拠

一次ソース 2件エビデンス 3件

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都庁公表の知事所信表明(令和8年第三回都議会定例会)で、ポイ捨て対策の条例化を含む検討と訪都外国人旅行者数2865万人を確認。共同通信配信記事(熊本日日新聞・秋田魁新報)で都の検討内容、渋谷区の過料2千円と963件(8月末)を確認。ビジネス・インサイダー・ジャパンで渋谷区の1412件・約280万円・日本人74%外国人26%を確認。新宿区の対象拡大は区公式ページで確認。条例案の内容や過料額は未確定。

出典・参考リンク