王座戦はなぜ広瀬章人九段が制した?伊藤匠王座とのフルセット、8年ぶり王座奪取の流れを整理

王座戦はなぜ広瀬章人九段が制した?伊藤匠王座とのフルセット、8年ぶり王座奪取の流れを整理

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この記事のポイント

  • 広瀬章人九段が121手で伊藤匠王座に勝ち、3勝2敗で王座を初獲得した
  • 広瀬九段のタイトルは2018年の竜王以来8年ぶりで、通算3期目になった
  • 五番勝負は先勝、連敗、勝ち返しと動き、最終局までもつれた
  • 伊藤王座は、タイトル戦の最終局で4戦4勝という記録が止まった
  • 全8タイトルは、藤井聡太竜王・名人、伊藤叡王、広瀬王座の3人が分け合う

2026年10月27日、山梨県甲府市の常磐ホテルで王座戦五番勝負の第5局が指されました。挑戦者の広瀬章人九段が121手で伊藤匠王座に勝ち、3勝2敗で初の王座を獲得しました。8年ぶりのタイトルがフルセットで決まった点が話題になっています。

王座戦はなぜ、広瀬九段が制したのでしょうか。五番勝負の流れと最終局の経過から見ていきます。

先勝のあと2連敗、それでも最終局へ

まず、五番勝負の流れを整理します。報道で確認できた結果は、次のとおりです。

第1局は9月2日、神奈川県秦野市で指されました。先手の広瀬九段が99手で勝ち、先勝しています。第2局は伊藤王座が取り、第3局は10月2日に北海道ニセコ町で指されました。後手の伊藤王座が100手で勝ち、2勝1敗と防衛に王手をかけています。

ここから広瀬九段が第4局を取り、2勝2敗に戻しました。第4局は10月14日に神戸市で指されています。つまり、広瀬九段は「あと1局で終わる」場面から押し返したことになります。部活の大会で、1敗したら終わりの試合を勝ち抜く感じに近いですね。

次は、この追い上げがなぜ大きな出来事なのかを見ます。

伊藤王座は「フルセット4戦4勝」だった

答えのひとつは、相手の強さにあります。伊藤王座はタイトル戦で最終局までもつれると、これまで負けなしでした。日刊スポーツによると、最終局は4戦4勝で、「ミスター・フルセット」と呼ばれていたそうです。

しかも、獲得した4期はすべてフルセットの末に取ったものでした。昨年は藤井聡太前王座からタイトルを奪っています。シリーズ前の通算対戦成績も、伊藤王座が7勝、広瀬九段が6勝で、ほぼ互角でした。

今回の最終局は、その「最終局に強い」という強みを破った勝負でもありました。では、第5局はどんな将棋だったのでしょうか。

第5局は相掛かりで、午前から激しい展開に

第5局は、振り駒で広瀬九段が先手になりました。戦型は相掛かり(つまり、飛車先の歩を突き合って始まる形)です。

ABEMA TIMESによると、伊藤王座は周到な研究を用意していたとみられ、早い段階で角銀交換が起きました。午前中から駒がぶつかる、激しい展開だったと伝えられています。

決着については、日刊スポーツが「終盤に抜け出し、121手で着実に寄せ切った」と報じています。報道で確認できる勝ち方は、ここまでです。一手ごとの詳しい分析は、各メディアの解説に委ねられます。

8年ぶりのタイトルまでの道のり

広瀬九段は札幌市出身で、2005年にプロ入りしました。2010年の王位戦で初タイトルを取り、2018年には羽生善治竜王(当時)から竜王を奪っています。このとき羽生九段は、27年ぶりの無冠になりました。

2019年には、藤井聡太七段(当時)との最終局に勝って王将戦の挑戦権を得て、藤井七段の初タイトルを1年遅らせました。最終局や決定戦で結果を残してきた経歴です。

広瀬九段は日刊スポーツに、「近年はあんまりタイトルを争うような立ち位置ではなかった。王座戦に星が集まっていた。結果を残せて良かったかなと思います」と話しています。

全8タイトルを3人で分ける新しい構図に

この結果で、将棋界の全8タイトルの持ち主が変わりました。ABEMA TIMESによると、藤井聡太竜王・名人が6冠(王位、棋聖、棋王、王将を含む)を持ち、伊藤匠さんは叡王の一冠、広瀬九段が王座です。

伊藤さんは前期に藤井さんから王座を取りましたが、今期は初防衛に届きませんでした。同じ将棋界でも、棋士の歩んだ道はそれぞれ違います。たとえば、女性初の棋士・西山朋佳さんの決断を見ると、勝負の世界の見え方が広がります。

王座戦についての疑問

Q. 広瀬章人九段は、なぜ王座を奪えたの?

報道で確認できる答えは、最終局で先手の広瀬九段が終盤に抜け出し、121手で寄せ切ったことです。第4局で2勝2敗に戻したことも流れを作りました。ただし、勝因の細かい分析までは、報道では示されていません。

Q. 広瀬九段のタイトルは何期目なの?

王座で通算3期目です。2010年の王位、2018年の竜王に続くタイトルで、8年ぶりの獲得になりました。

Q. 伊藤匠さんは、タイトルをすべて失ったの?

いいえ、叡王を持っているので一冠です。王座を失って、二冠から一冠に後退しました。

Q. 「フルセット」って、どういう意味?

五番勝負が2勝2敗となり、第5局まで進むことです。伊藤さんは、最終局まで進んだタイトル戦で4戦4勝でした。今回の第5局で、その記録は止まっています。

Q. 第5局はどこで指されたの?

山梨県甲府市の常磐ホテルです。2026年10月27日に指されました。

Q. 五番勝負で広瀬九段は何局勝ったの?

3勝です。第1局、第4局、第5局を取り、3勝2敗で王座を獲得しました。

「先勝・追いつき・最終局」が答えだった

広瀬九段が王座を取れた理由を、報道で確認できる事実でまとめます。最初に先勝し、第3局のあとに追い込まれても、第4局で勝ち返しました。そして最終局で、先手番を生かして終盤に抜け出しました。

つまり、粘って最終局へ持ち込み、そこで伊藤王座の「最終局4戦4勝」を止めたことが決め手でした。8年ぶりのタイトルで、将棋界の勢力図も新しくなりました。

なぜ流行っているのか?

王座戦の最終局は、挑戦者の広瀬章人九段が8年ぶりにタイトルを取るという結果になりました。話題が広がった理由は3つあります。1つ目は、伊藤匠王座がタイトル戦の最終局で4戦4勝という強さを持っていたことです。その記録が止まったので、結果のインパクトが大きくなりました。2つ目は、広瀬九段が2018年に羽生善治竜王から竜王を取るなど、大きな勝負で結果を残してきたことです。3つ目は、全8タイトルが3人で分けられる新しい構図になったことです。藤井聡太竜王・名人一強と言われた将棋界が変わったという見方も出ています。

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この記事の根拠

エビデンス 7件参考資料 1件

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対局日、会場、手数、勝敗、3勝2敗という成績は、ABEMA TIMES、日刊スポーツ、沖縄タイムス、佐賀新聞の報道で確認しました。第1局と第3局の結果は神戸新聞で確認しました。タイトル期数の表記が媒体で違うため、期数は本文で使っていません。伊藤王座の年齢も媒体で23歳と24歳に分かれるため、書いていません。勝因の詳しい分析は報道になかったので、確認できた経過だけを書きました。

出典・参考リンク