内閣支持率ほぼ横ばい57%とは何を示すのか、簗前農相の更迭直後の読売調査で更迭当然82%と時事42%の差を読む

内閣支持率ほぼ横ばい57%とは何を示すのか、簗前農相の更迭直後の読売調査で更迭当然82%と時事42%の差を読む

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この記事のポイント

  • 読売の10月16〜18日調査で、高市内閣の支持率は57%と前回比2ポイント減だった
  • 不支持率は30%で前回と同じで、更迭の影響は限定的と報じられた
  • 簗前農相の更迭を当然と答えた人は82%、思わない人は10%だった
  • 首相の責任が大きいと思う人と思わない人は、ともに46%で並んだ
  • 時事の42.4%は、更迭前の10月9〜12日に面接方式で行った別の調査である

2026年10月18日、読売新聞社が全国世論調査の結果を報じた。高市内閣の支持率は57%で、前回9月の59%からほぼ横ばいだった。簗和生前農相の事実上の更迭の影響は限定的だったと報じられている。

閣僚の更迭から数日後に出た「ほぼ横ばい」の57%とは、何を示す数字なのか。同じ週に時事通信の調査では42%台という最低値も出ており、2つを並べると戸惑う人も多いはずだ。

読売調査の57%が測ったもの

読売新聞社は10月16日から18日にかけて、全国世論調査を行った。高市内閣の支持率は57%だった。9月17〜18日の前回調査は59%で、2ポイント下がった。読売はこれを「ほぼ横ばい」と伝えている。不支持率は30%で、前回と変わらない。

政党支持率も大きくは動いていない。自民党は34%で、前回の35%から1ポイント減った。参政党は5%、日本維新の会は4%で、どちらも前回と同じだ。国民民主党は3%、公明党と立憲民主党は2%ずつだった。無党派層は41%で、前回の40%とほぼ同じである。

前回の59%は、9月17日の内閣改造を受けた調査の数字だった。nippon.comが報道8社の9月調査をまとめた記事によると、読売の支持率は改造後に3ポイントを超えて上がっていた。今回の57%は、改造で少し上がった水準から2ポイント戻った位置にある。

では、この調査の直前に何が起きていたのか。更迭に至るまでの流れを日付順に追う。

簗前農相の更迭までの半月

発端は、簗和生氏が農相に就く前の5月24日の発言だった。栃木県大田原市で開かれた自民党支部の懇親会で、衆院選で自分を応援しなかった首長がいるとして、那須烏山市と那珂川町の道路予算を「大幅にカットした」と話したという。共同通信の取材に、出席した関係者が明かした。

簗氏は10月2日、週刊新潮の報道について「そういう発言をしたのだと思う」と認めた。「誤解を招くような言いぶりだった」と釈明し、国土交通省への働きかけは否定した。辞任はしない考えも示した。その後、衆院選での支持者向けシャトルバスの無料送迎をめぐり、公職選挙法違反の疑いも報じられた。

高市早苗首相は10月9日の参院本会議で更迭を否定した。「まず本人が適切に説明することが重要だ。任命責任は私にある」と述べている。しかし首相は14日、事実上の更迭に踏み切った。15日には後任に武部新氏が就いた。

16日の参院予算委員会で、首相は「国会開会中に辞任する事態となったことは申し訳ない。任命責任を重く受け止める」と陳謝した。続投の表明から辞表提出までの動きは、簗和生農水相が辞表提出に至った流れで詳しく整理している。判断の揺れを知っておくと、次に見る数字の意味がつかみやすい。

読売の調査は、この陳謝と同じ16日に始まった。回答者は更迭と首相の責任をどう見たのか。

更迭は当然82%、責任は二分

読売の調査で、簗氏の更迭を当然だと「思う」と答えた人は82%に上った。「思わない」は10%にとどまる。更迭という結論には、8割を超える人が納得している。

一方で、首相の責任が大きいと「思う」人は46%、「思わない」人も46%だった。見方は真っ二つに割れている。読売は見出しで、首相の責任の「否定派」が46%だったことを伝えた。

読売は、更迭が支持率に与えた影響は限定的だったとしている。更迭を当然とする声が多数を占め、首相の責任を問う声は半数に届かなかった。この2つの数字が、「ほぼ横ばい」の中身である。更迭という決着を多くの人が受け入れたことが大きな下げを防いだとも読めるが、これは調査結果からの筆者の見方だ。

ただ、同じ週に報じられた時事通信の調査では、支持率は42%台まで下がっていた。2つの数字の差はどこから来るのか。

時事42%と読売57%の差

時事通信が10月15日に報じた世論調査では、高市内閣の支持率は42.4%だった。前月から1.7ポイント下がり、5カ月連続の下落で最低を更新した。首相が簗氏を続投させた判断を「問題だ」とした人は49.6%、「どちらかと言えば問題だ」は28.4%で、合わせて8割弱が問題視した。

ただし、時事の調査期間は10月9日から12日だ。14日の更迭より前に終わっている。全国の18歳以上2,000人を対象に、調査員が直接会って聞く個別面接方式で行われた。更迭後の16〜18日に行われた読売の調査とは、時期も聞き方も違う。

もともと両社の水準には差があった。9月の報道8社の調査では、内閣支持率は44.1%から62.0%に分かれていた。時事は44.1%、読売は改造後の59%だった。今回は時事が1.7ポイント減、読売が2ポイント減で、前回からの動きの幅はほぼ同じである。

共同通信が改造直後の9月17〜18日に行った調査でも、似た形が見えていた。支持率は53.4%と3.2ポイント上がった。その一方で、裏金事件で処分を受けた議員の閣僚起用を「適切ではない」とした人は66.6%いた。人事への批判と内閣全体の支持は、別々に動くことがある。

ここまでの数字を踏まえ、読者が抱きやすい疑問にまとめて答える。

よくある質問

Q. 簗前農相の更迭直後なのに、内閣支持率はなぜほぼ横ばいだったのか?

読売新聞は、更迭が支持率に与えた影響は限定的だったと報じている。同じ調査では、更迭を当然とする回答が82%に上った。首相の責任が大きいとみる人は46%で、そう思わない人と並んだ。更迭の判断は多くの人に受け入れられ、首相の責任を問う声は半数に届かなかったことが数字に表れている。

Q. 時事通信の内閣支持率42%と読売の57%はなぜ違うのか?

時期と方式が異なる別の調査だからである。時事は更迭前の10月9〜12日に個別面接方式で行い、読売は更迭後の16〜18日に実施した。9月の時点でも時事は44.1%、読売は59%と差があった。前回からの下げ幅は、どちらも2ポイント前後でそろっている。

Q. 簗和生氏はなぜ農相を辞めることになったのか?

自治体の道路予算を削ったとする発言に、公職選挙法違反の疑いが重なったためである。簗氏は衆院選で自分を応援しなかった首長がいる那須烏山市と那珂川町について、道路予算を大幅にカットしたと話していた。首相は一度は更迭を否定したが、10月14日に事実上の更迭に踏み切った。

Q. 内閣支持率の数字はどう読めばよいのか?

同じ社の前回調査との差を見ると、動きをつかみやすい。今回は読売が2ポイント減、時事が1.7ポイント減で、向きと幅がそろっている。各社は調査の方式や時期が違うため、水準どうしを直接比べると誤解しやすい。

Q. 10月の読売調査で政党支持率に変化はあったのか?

大きな変化はなかった。自民党は34%で前回の35%から1ポイント減、参政党は5%、日本維新の会は4%で前回と同じだった。支持政党のない無党派層は41%で、前回の40%とほぼ変わらない。

Q. 簗氏の問題は今後の国会でどう扱われるのか?

野党は首相の任命責任の追及を続けている。10月16日の参院予算委員会では、立憲民主党の辻元清美氏が簗氏の参考人招致を求めた。臨時国会では消費税減税関連法案や衆院議員定数削減をめぐる攻防も控えている。

横ばい57%が映した更迭への受け止め

読売調査の「ほぼ横ばい57%」とは、更迭の直後でも内閣支持率が2ポイントしか動かず、不支持率も変わらなかったことを示す数字だ。同じ調査では更迭を当然とする人が82%を占め、首相の責任をめぐる見方は46%ずつに割れた。

一方で、更迭前の時事の調査では続投判断を8割弱が問題視し、支持率は最低を更新していた。2つの調査を合わせると、続投への批判は強かったが、更迭という決着の後に支持率の大きな変化は出ていない。

後任人事については、高市首相が武部新氏を農相に起用した理由もあわせて読むと、政権が立て直しで何を重視したかが見えてくる。国会では任命責任の追及が続いており、11月の各社の調査で横ばいが続くかが次の確かめどころになる。

なぜ流行っているのか?

「ほぼ横ばい」という語が話題になったのは、閣僚更迭の直後という時期と、結果の落差が重なったためである。10月14日の事実上の更迭、15日の後任就任、16日の首相の陳謝と動きが続いた直後の18日夜に、読売の57%が報じられた。その3日前には、時事通信の調査で支持率42.4%と最低更新が伝えられていた。人は直前に見た数字を基準に新しい数字を評価しやすく(アンカリング効果)、42%を見た人ほど57%を意外に感じやすい。加えて「閣僚が辞めれば支持率は下がる」という素朴な予想と、横ばいという結果のずれが、なぜかを知りたい関心を生んだ。各社の調査方式や時期の違いは普段あまり意識されないため、数字の差そのものが話題を広げる要因にもなった。

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この記事の根拠

一次ソース 1件エビデンス 7件参考資料 1件

▶ファクトチェック結果を確認する

読売新聞の10月16〜18日全国世論調査(支持率57%・前回59%、不支持率30%、更迭当然82%・思わない10%、首相の責任 大きい46%・思わない46%、政党支持率)を読売新聞オンライン配信記事で確認。時事通信の10月9〜12日調査(42.4%、1.7ポイント減、個別面接2,000人・回収率58.4%、続投判断の問題視49.6%+28.4%)を時事ドットコムで確認。簗氏の5月24日の発言、10月2日の発言認否、10月9日の首相の更迭否定、15日の武部新氏就任、16日の首相陳謝を共同通信配信記事で確認。9月の報道8社調査の幅(44.1〜62.0%)と共同通信9月調査(53.4%、裏金閣僚起用不適切66.6%)を確認。読売の調査方式の詳細は本文に記載していない。

出典・参考リンク