なぜ退職代行モームリの元社長は2026年8月28日に有罪になったの? 非弁行為・弁護士法と業者の「限界線」

なぜ退職代行モームリの元社長は2026年8月28日に有罪になったの? 非弁行為・弁護士法と業者の「限界線」

10-20代向け
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この記事のポイント

  • 退職代行モームリの元社長が2026年8月28日に有罪判決を受けた
  • 弁護士でない業者が「交渉」すると非弁行為になる理由と、今後の退職代行の安全な使い方をひもとく

退職代行サービスって聞いたことある? 2026年8月28日、そのサービスの大手「モームリ」の元社長に、東京地裁が有罪判決を出しました。「辞めます」を代わりに伝えるサービスが、なぜ刑事事件になるの?

  • 退職代行とは、会社に「辞めます」と伝えるのを業者が代わりにやるサービスです。
  • 民間業者が有給消化や退職日の「交渉」をすると、弁護士法違反(非弁行為)になります。
  • モームリ元社長は、依頼者を弁護士に紹介して紹介料を受け取った「非弁提携」で有罪になりました。
  • 離職者の約20人に1人(5.1%)が退職代行を利用しており、市場は2025年に約60億円規模に達しています。
  • 弁護士または労働組合が運営する退職代行なら、引き続き合法的に使えます。

退職代行って、何をしてくれるサービスなの?

「会社を辞めたいのに、直接言い出せない」という人のために生まれたのが退職代行サービスです。業者が本人に代わって電話やメールで「本人が退職を希望しています」と伝えてくれます。

なんでそんな需要があるの? 上司に激しく引き止められたり、「損害賠償を請求するぞ」と脅されるケースが実際にあるからです。部活を辞めたいのに顧問から強く引き止められ、身動きが取れなくなる感じに近いです。

2022年2月に創業したモームリは、そんな人たちの悩みに応えて急成長しました。2025年1月期の売上高は約3億3000万円。業界最大手と呼ばれるまでになりました。退職者の約5.1%(20人に1人)が退職代行を使っており、20代では18.6%と特に高い数字です。2025年には市場全体で約60億円規模に達しています。

ここまでは「困っている人を助けるサービス」として成長してきたモームリ。でも、そこには「やっていいこと」と「やってはいけないこと」の境界線があったのです。

「辞めます」を伝えるだけではダメだった理由

実は退職代行には、法律による厳格なルールがあります。

弁護士法第72条は「弁護士でない者が、報酬を目的に法律事務を取り扱うことを禁じる」と定めています。これを「非弁行為」(つまり、弁護士でない人が弁護士のような仕事をすること)といいます。

民間業者に許されているのは「退職の意思をそのまま伝えること」だけです。会社との交渉——「有給を10日使わせてほしい」「退職日を1か月後にしたい」といった話し合い——は即座に非弁行為になります。

「えっ、それだけで違法なの?」と思う人もいるでしょう。でもこれは、専門知識のない業者が法律の話に踏み込むことで、依頼者が不利益を受けないようにするための制度です。医師免許のない人が手術するのと同じように、法律の交渉にも国家資格が必要な場面があります。

この線を越えてしまったのが、今回のモームリの事件です。

モームリが「越えた線」——2026年8月28日の有罪判決まで

モームリが問われたのは「非弁行為」そのものではなく、「非弁提携」という問題でした。

非弁提携とは、弁護士でない業者と弁護士がお金を分け合う仕組みのことです。モームリは依頼者を特定の弁護士に紹介し、紹介料を受け取っていました。これが弁護士法違反に当たりました。

事件の経緯を時系列で見ると——2025年10月に警視庁が株式会社アルバトロス(モームリ運営会社)を家宅捜索しました。2026年2月、代表取締役・谷本慎二氏と妻が弁護士法違反の疑いで逮捕されました。5月の初公判では2人が起訴内容を認め、検察は元社長に懲役2年、妻に懲役1年6か月、法人に罰金200万円を求刑しました。そして2026年8月28日——今日、東京地裁が有罪判決を言い渡しました。

退職代行業界の最大手に刑事罰が科されたことは、業界全体に大きな影響をもたらします。東京弁護士会は2024年11月に既に注意喚起を実施しており、今回の判決はその流れを確定させるものとなりました。

では、もう退職代行は使えないの? そうではありません。

退職代行、今後はどうなる?

退職代行サービス自体がなくなるわけではありません。

弁護士が運営する退職代行や、労働組合が運営する退職代行は引き続き合法です。有給消化や退職日の交渉も、弁護士・労働組合なら問題なく行えます。

今回の判決が示したのは「民間業者が交渉したり、弁護士に紹介料を払ったりする仕組みはNG」という明確な線引きです。業者を選ぶ際は「弁護士法人・労働組合が運営しているか」を確認することが、今後の安全な利用につながります。

退職代行に関するよくある疑問

Q. 退職代行って何のために使うの?

会社に直接「辞めます」と言い出せないときに、業者が代わりに連絡するサービスです。ハラスメントや激しい引き止めがある職場で特に使われています。離職者の約20人に1人が利用している実態があります。

Q. 非弁行為って何のこと?

弁護士でない人が、お金をもらって他人の代わりに法律的な交渉や手続きをすることを非弁行為といいます。弁護士法第72条で禁止されています。退職代行では有給取得・退職日の交渉がこれに該当します。

Q. モームリ元社長はどんな理由で有罪になったの?

依頼者を特定の弁護士に紹介してお金をもらっていた「非弁提携」が弁護士法違反に当たりました。2026年8月28日、東京地裁が有罪判決を言い渡しました。

Q. どんな退職代行なら安全に使えるの?

弁護士が運営する退職代行、または労働組合が運営する退職代行は合法です。民間業者だけが運営するものは「意思を伝えること」しかできないため、交渉が必要なケースには向きません。

Q. 会社が「辞めさせない」と言ったらどうすればいい?

法律上、退職は労働者の権利です。2週間前に申し出れば基本的に誰でも退職できます。会社が脅してくることは違法な場合もあります。そういったときは弁護士や労働相談窓口に相談する方法があります。

Q. これって中学生にも関係あること?

将来アルバイトや就職をしたとき直接関係してきます。「退職は権利である」という知識と、「業者を選ぶなら弁護士・労働組合か確認する」という判断軸を早めに持っておくと役に立ちます。

Q. 退職代行はこれからも増え続けるの?

判決で業界への監視は強まりますが、「退職しにくい職場文化」が根本的に変わらない限り、需要はなくならないとみられています。合法な業者による市場は今後も続く見込みです。

合法・違法の境界線が今日から明確になった

退職代行サービスは、日本の働き方の問題を映した存在です。

「辞められない」状況が生まれる背景には、長年の雇用慣行や人間関係の圧力があります。そのニーズに応えようとした業者の中に、法律の線を越えたものが出てきた——それが今日の判決で確定しました。

判決のポイントは2つです。民間業者は「伝えること」のみが許される。そして「紹介料」などお金が絡む業者・弁護士の連携は非弁提携で違法です。これから退職代行を利用する場合は、弁護士または労働組合が運営しているかを必ず確認しましょう。

なぜ流行っているのか?

退職代行モームリ元社長の有罪判決が2026年8月28日にトレンド入りした背景には、「退職代行」が日本の働き方文化の変化を象徴するサービスとして注目を集め続けてきたことがあります。2026年2月の逮捕報道以来、非弁行為・弁護士法違反という専門的な法律問題がSNSで広く議論され、判決当日は法律と労働問題への関心が重なり急上昇しました。離職者の20人に1人が利用する規模に成長した退職代行市場の動向に、消費者・雇用主・法律家それぞれが高い関心を持っています。

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この記事の根拠

一次ソース 1件エビデンス 3件参考資料 1件

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退職代行モームリを運営する株式会社アルバトロスの代表取締役が2026年2月に弁護士法違反容疑で逮捕された事実は複数の報道機関が確認。同社の2025年1月期売上高が約3億3000万円という数字は東京商工リサーチの報告に基づく。東京地裁での2026年8月28日有罪判決はNHKニュースおよびベンナビ労働問題の報道で確認。離職者の5.1%が退職代行を利用という統計はマイナビキャリアリサーチLab・退職代行統計データ2026を参照。市場規模60億円はニッセイ基礎研究所等の市場調査に基づく推計値。

出典・参考リンク