SiriがGoogleのAIになったのはなぜ? WWDC 2026で起きた「まさか」の発表を全部説明する
この記事のポイント
- なぜAppleは宿敵GoogleのGeminiをSiriに採用したの? WWDC 2026のキーノートで発表されたSiri刷新・Liquid Glass改良・80%速くなったAirDropを全部説明する
目次
「SiriってなんでGoogleのAIになってるの?」
2026年6月9日(日本時間)、Appleの開発者向けイベント「WWDC 2026」が幕を開けた。毎年このイベントで次のiOSや新機能が発表される。今年のいちばんのサプライズは「SiriにGoogleのAIが入る」という発表だった。
iPhoneとAndroid、長年ライバルだった2社が、なぜ手を組んだのか。
- SiriがGoogleのGemini AIを採用。写真の自動整理やVisual Intelligenceなど、これまでできなかった「理解して判断する」機能が加わる
- iOS 26の番号が飛んで見えるのは、Appleが全OSを「西暦の下2桁」で統一したため。iOS 26 = 2025〜2026年版という意味
- Liquid Glassに「透明度スライダー」が追加され、昨年から続いた「文字が読みにくい」問題が改善された
- AirDropの転送速度が最大80%高速化。1分かかる動画転送が約12秒で終わる計算
- Geminiを使った新SiriはGeminiとの連携は現時点で英語のみ対応。日本語対応の時期は未発表
Siriはなぜ「使えない」と言われ続けたのか
Siriは2011年にiPhone 4Sで登場した。世界初の本格的な音声アシスタントの一つだ。
15年近く動いてきたのに、2023年以降「ChatGPTと比べると使えない」という声が広がっていた。
理由は大きく3つある。「複雑な質問に答えられない」こと。「会話の流れを覚えておけない」こと。「英語中心で日本語の精度が追いつかない」こと。
たとえば「今週末に友達と遊ぶとして、天気と混雑を考えてベストな日を教えて」と聞くと、従来のSiriにはうまく答えられなかった。部活の作戦会議でいえば、バラバラの情報を組み合わせて結論を出せないような状態だ。
AppleはApple Intelligenceを開発してきた。ただ、ChatGPTやGeminiに追いつくには時間がかかりすぎた。
そこで選ばれた解決策が、GoogleのGeminiとの提携だった。
AppleがGoogleを選んだ理由と新Siriの中身
「AppleとGoogleって仲悪いんじゃないの?」と思う人もいるだろう。
iPhoneとAndroid、App StoreとGoogle Play——確かに2社は市場のライバルだ。でもAIの分野でAppleは「いいものを使う」という判断を選んだ。
具体的な変化を見ていこう。
まず「写真の自動整理」。「先週の部活の写真をアルバムにまとめて」と話しかけると、SiriがGeminiの画像認識を使って処理してくれる。これまでのSiriには画像を「理解して判断する」能力がなかった。
次に「Visual Intelligence」。カメラを向けて「これなに?」と聞くと、Geminiが画像を解析して答えを返す。教科書の図や道端の植物を調べるのに使える。
さらに「文書へのフィードバック」機能も加わった。書いたレポートや作文をSiriに見せると、改善点を指摘してもらえる。授業の課題に活用できそうだ。
動作も変わる。iOS 27からは画面中央から下にスワイプするだけでSiriが起動し、Dynamic Islandにアニメーションが表示される。
注意点が1つある。この新Siriは現時点で英語のみ対応だ。EU圏ではデジタル市場法の規制で提供が遅れる見込みで、日本語対応の時期はまだ発表されていない。
見た目の話もある。次はLiquid Glassの改善だ。
Liquid Glassが「見づらい」から「見やすい」へ変わった理由
Liquid Glassは2025年のWWDC 2025で登場したAppleの新デザインだ。
背景が透けるすりガラス風の質感で、ボタンは水滴のような見た目になった。インパクトは大きかったが、登場直後から「文字が読みにくい」という声が続出した。背景が透けすぎるとテキストとのコントラストが下がり、屋外の明るい場所で特に見づらくなった。
WWDC 2026では「透明度スライダー」が追加された。設定から不透明度を自分で調整できるようになり、コントラストと読みやすさが改善された。macOSではツールバーのデザインも統一され、角丸のサイズも見直された。
昨年「かわいいけど見にくい」と感じていた人には朗報だ。
見た目の改善だけでなく、速さの改善もある。
AirDropが最大80%速くなった——数字で見る地味な進化
数字だけ見ると地味に感じる。でも実際に使う場面では大きな差になる。
AirDropの転送速度が最大80%速くなった。1分かかる動画転送なら、同じファイルが約12秒で送れる計算だ。部活の試合動画を友達に送るとき、これまでの待ち時間が大幅に短くなる。
アプリの起動は最大30%高速化した。カメラロールの写真表示は最大70%速くなった。
毎日何十回もスマホを触る中学生にとって、こういった積み重ねが1日の体感をじわじわ変えていく。
さらに詳しい疑問には、次でまとめて答えていく。
よく出てくる5つの「なんで?」に答える
Q. iOS 26ってなんで番号が飛んでるの?
iOS 26の「26」はバージョン番号ではなく「2025〜2026年版」という意味だ。Appleが2025年からiOS・iPadOS・macOS・watchOSの全OSを「西暦の下2桁」で統一した。iOS 18の次が26に見えるけど、バージョンをスキップしたわけではない。全OSの番号を揃えることで、「iOSは18なのにmacOSは15」という混乱をなくすための変更だ。
Q. iOS 27は自分のiPhoneで使えるの?
iOS 27は2026年秋にリリース予定だ。対応機種はまだ未発表だが、iOS 26(iPhone 11以降、SE第2世代以降)と同様の範囲になると予想されている。正式な対応機種リストは2026年秋のiPhone新モデル発表と合わせて公開される見込みだ。
Q. GeminiのSiriはいつから日本語で使えるの?
現時点では英語のみ対応で、日本語対応のスケジュールはAppleから発表されていない。過去の例では英語で先行した機能の日本語対応に6〜12か月かかることが多い。早くても2026年後半以降になる見込みだ。
Q. AppleとGoogleが組んだらデータは安全なの?
どのデータがGoogleに送られるかは、2026年6月8日時点でAppleからの詳細発表がない。AppleはプライバシーポリシーをWWDC 2026後に更新する予定で、利用者が自分で選択できる仕組みが設けられるとされている。正式な仕様公開を待つ段階だ。
Q. watchOS 26の「Workout Buddy」ってなに?
Apple Watchの新機能で、ランニング中にリアルタイムでペースを分析してくれる。「あと少しペースを上げると5kmタイムが改善できます」という感じで、AIがコーチのように提案してくれる。タイムを伸ばしたい部活生に向いている機能だ。
Apple × Google の組み合わせが出した一つの答え
ここまでを整理すると、WWDC 2026の核心は「AppleがAI時代の現実を受け入れた」という点にある。
独自開発にこだわってきたAppleが、競合のGoogleと組むことを選んだ。これは「負けた」のではない。「ユーザーに最高の体験を届けることを最優先した」という判断だ。
クラスで行事の準備をするとき、ひとりで全部やろうとするより、得意な人と役割を分けたほうがいいものができる。AppleとGoogleの組み合わせは、そういう選択に近い。
Liquid Glassの改善も、AirDropの高速化も、根っこは同じ「使う人の体験を上げる」という方向性だ。
iOS 27が秋に正式リリースされたとき、手元のiPhoneがどう変わっているか確かめてみてほしい。
なぜ流行っているのか?
WWDC 2026のトレンドは2つの理由で急拡散した。1つ目はAppleとGoogleという「宿敵コンビ」のサプライズ性だ。iPhoneとAndroidを対立軸として語る文化は根強く、「なぜ組んだ?」という疑問が検索とSNS投稿を一気に引き起こした。2つ目はLiquid Glassへの昨年来の不満が蓄積していたことだ。2025年以来「読みにくい」という指摘が絶えず続いており、今年の改善発表で「やっと直った」という安堵と議論が再燃した。Liquid GlassとGemini Siriの2本柱が重なり、Apple関連キーワードがYahoo!リアルタイムで複数同時トレンド入りする現象につながった。
この記事の根拠
一次ソース 2件エビデンス 1件参考資料 1件
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iOS 26の命名はWWDC 2025(2025年6月)で発表。バージョン番号の変更ではなく、全OSを西暦下2桁で統一するための改名(出典: Apple公式/MacRumors)。Liquid Glassは2025年WWDC 2025発表のデザイン言語。2026年のWWDC 2026で透明度スライダー追加が発表された(出典: MacRumors 2026/06/08)。GeminiのSiri統合はWWDC 2026キーノートで正式発表。現時点で英語のみ、EU提供は規制で遅延見込み(出典: Engadget WWDC 2026 recap)。AirDrop最大80%高速化・アプリ起動最大30%高速化・写真表示最大70%高速化はApple公式発表の数値(出典: Engadget)。