AppleはなぜSamsungに7年も遅れて折りたたみiPhoneを出すの? ヒンジ問題が7年間の壁だった
この記事のポイント
- Samsungが2019年に折りたたみスマホを出してから7年
- Appleはなぜ今さら折りたたみiPhoneを出すの? 「ヒンジ問題」と「折り目問題」という2つの壁を乗り越えるのに、Appleは7年かけた
目次
折りたたみiPhoneが2026年秋についに来る。 でも「なんで今さら?」って思わない?
- Samsungが2019年に折りたたみスマホを出してから、Appleは7年間「品質が基準を満たすまで」待ち続けた
- 最大の課題は「ヒンジ(開閉部品)の強度」と「折り目のない画面」の2点だった
- 2026年7月にリキッドメタル製ヒンジの量産が安定し、秋に発売できる見通しが立った
- 価格は37万〜40万円と予想され、生産台数は700〜800万台と限定的
- 開いた状態の画面サイズは7.8インチで、iPad miniとほぼ同じ大きさ
Samsungが2019年に出せたのに、Appleはなぜ7年も待ったの?
2019年2月、Samsungが「Galaxy Fold」を発表した。折りたたみスマホとして、世界で初めての製品だった。
以来、Samsungはシリーズを毎年進化させてきた。2026年現在はGalaxy Z Fold 8まで来ている。中国のHuaweiやOPPOも参入し、折りたたみスマホはもう珍しくない。
なのにAppleは7年間、折りたたみiPhoneを出さなかった。
理由は「技術がなかった」からではない。「自分たちの品質基準を満たすまで、絶対に出さない」という方針を守ったからだ。これはAppleが昔からやってきたパターンだ。USB-CのiPhone対応も他社より遅かった。5G搭載も後発だった。でも出すときは「業界最高レベル」で出す。それがAppleの流儀だ。
では折りたたみiPhoneの場合、何がそんなに難しかったのか。次で2つの「壁」を見ていこう。
「ヒンジ問題」と「折り目問題」——2つの壁の正体
折りたたみスマホには、普通のスマホにはないパーツがある。「ヒンジ」と「折りたたみ可能な画面」だ。この2つが、Appleを7年間足止めした壁だった。
ヒンジって何? なんでそんなに難しいの?
「ヒンジ」とは、スマホを開閉するための蝶番(ちょうつがい)部品だ。ドアの蝶番と同じ役割で、1日に何十回も開閉する。Appleはこのヒンジにリキッドメタル(液体金属合金)を使った。普通のアルミやチタンより加工が難しい素材だが、強度と精度は段違いに高い。
2026年7月、ようやく量産ラインが安定したと報道された。解決した問題は2つ。「数百万回の開閉テストでわずかな異音が出た」問題と、「組み立て時の誤差が大きく不良品が増えた」問題だ。1つずつクリアするのに時間がかかった。
折り目のないスクリーンを作るのは、なぜ難しいの?
折りたたみスマホの画面には、折り目が残る。Samsungの最新モデルでも、光の角度によっては折り目が見える。Appleはこの折り目を「ほぼゼロ」にすることを目指した。Galaxy Z Fold 8を作ったSamsung Display(Samsungのディスプレイ部門)と組み、極薄ガラスを採用した。競合他社の部品を使いながら、それを上回る品質を目指す。これがAppleらしいアプローチだ。
2つの壁を越えるのに7年かかった。でも逆に言えば、クリアしたから出す決断ができた、ということでもある。
37万円のiPhoneを誰が買うの?
予想価格は37万〜40万円。iPhone 17 Pro Maxが約20万円なので、約2倍だ。中学生がすぐに手に入れられる価格ではない。では誰が買うのか。
Appleが想定するターゲットは主に3つだ。
1つ目は「ビジネスパーソン」。大きな画面で資料を確認したい人、タブレットとスマホを1台にまとめたい人向けだ。2つ目は「Apple熱狂的ファン」。新しいiPhoneが出るたびに買う人たちで、初代モデルは特に人気が高い。3つ目は「希少性に価値を感じる人」。生産台数が700〜800万台と限られている。通常のiPhoneは毎年数千万台以上が製造されることと比べると、入手できるだけで特別感がある。
Appleにとっても、この初代モデルは技術披露の意味合いが強い。価格が下がって普及するのは2代目・3代目が出てからだろう。
GalaxyとiPhoneの折りたたみは何が違うの?
Appleが「後出しじゃんけん」で勝ちにいくポイントはどこか。
最大のポイントは「折り目の差」と「ソフトウェアの完成度」だ。折り目については前述の通り、Appleは「折り目ほぼゼロ」を目指している。実際に確認できるのは発売後のレビューが出てからだ。
ソフトウェア面では、SamsungはAndroid(One UI)ベースで大画面を活かしているが、アプリ対応がバラバラになることも多い。Appleはハードとソフトを自分たちで設計する会社だ。7.8インチを最大限活かす専用UIをiOSに組み込んでくる可能性が高い。
Appleの弱点も正直に言うと、eSIM専用(SIMカード不可)なのは格安SIMを使いたい人には不便だ。MagSafe非対応になる可能性もあり、今持っているMagSafe充電器が使えなくなる場合がある。
折りたたみiPhoneについての中学生の疑問に答えると
Q. 日本ではいつ買えるの?
2026年9月に発表の見通しで、予約は10月以降になりそうです。米国先行発売になる可能性があり、日本での発売時期は未確定です。初期在庫が少ないため、予約開始直後に売り切れる可能性があります。
Q. 開いたらどのくらい大きいの?
開いた状態で7.8インチです。iPad mini(8.3インチ)とほぼ同じ感覚で、マイクラやポケモン系ゲームを大画面でプレイするには最適な大きさです。閉じた状態は5.5インチで、今のiPhoneとほぼ同じサイズです。
Q. Touch IDってなに? なんで戻ってきたの?
Touch IDは指紋認証のことです。折りたたみiPhoneは画面の内外両方にカメラが必要なため、Face ID(顔認証)のセンサーを置く場所が確保しにくくなります。そのため、側面ボタンに指紋センサーを内蔵するTouch IDが採用される見込みです。
Q. 折りたたみスマホって壊れやすいの?
初期(2019〜2020年頃)の折りたたみスマホは壊れやすい面もありました。今のGalaxy Z Fold 8は大幅に改善されています。AppleはリキッドメタルヒンジとSamsung Display製の極薄ガラスで、数百万回の開閉テストをクリアした設計になっています。ただし通常のiPhoneより精密なので、落下には注意が必要です。
Q. 今のiPhoneから買い替えた方がいいの?
今のiPhoneが問題なく使えているなら、急いで買い替える必要はありません。37万円以上という価格を考えると、2代目・3代目が出て価格が下がるのを待つのが現実的です。
Q. MagSafeが使えなくなるって本当?
リーク情報によるとMagSafe非対応になる可能性があります。折りたたみ構造のため、背面に強力な磁石を埋め込むスペースの確保が難しいことが理由です。正式なスペックは2026年9月の発表で明らかになります。
「7年待った」がAppleの正解だった理由
AppleがSamsungより7年遅れた理由は、「技術が自社基準を満たすまで出さない」という一貫した方針だった。
2007年の初代iPhoneもそうだった。すでに多くのメーカーがスマートフォンを出していたが、Appleは後出しで市場を塗り替えた。2010年の初代iPadも同じだ。タブレットPCはすでに存在していたが、Appleが「使いやすいタブレット」の基準を作り直した。
折りたたみiPhoneも同じ道を歩もうとしている。「ヒンジ問題」と「折り目問題」という2つの壁を越えた先に、Appleの答えがある。その答えは2026年秋に出る。
なぜ流行っているのか?
2026年8月26日のYahoo!リアルタイム検索で「折り畳み型」がトレンド入りした背景には、2026年9月のiPhone 18シリーズ発表が迫る中、折りたたみiPhoneの最新リーク情報が相次いで報じられていることがある。特に8月12日のBloomberg・マーク・ガーマン氏による「社内ではiPhone Ultraと呼ばれている」という報道が注目を集め、名称・スペック・価格に関する議論がSNS上で拡大した。初値37万円超・生産台数700〜800万台という希少性の高さも話題を呼んでいる。心理的には「Appleの完璧主義 vs Samsungのスピード重視」という二項対立がSNS上の議論を活発にさせている面もある。
この記事の根拠
一次ソース 1件エビデンス 2件参考資料 1件
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本記事の主要な事実の出典: 「2026年9月発表予定」はBloomberg Mark Gurman氏報告(2026年8月)に基づく。「価格: 日本37万〜40万円」は複数アナリスト予測。「生産台数: 700〜800万台」は業界アナリスト複数ソース。「外部5.5インチ・内部7.8インチ」はMing-Chi Kuo氏ほか複数ソースで確認。「リキッドメタルヒンジ」は2026年7月の量産ライン開始報道に基づく。「Samsung Displayとの提携による折り目低減」は業界報告に基づく。これらは正式発表前のリーク情報のため、2026年9月の公式発表で変更になる可能性がある。