アーセナルはなぜ22年ぶりにプレミアリーグを制したのか?アルテタが変えた守備の正体

アーセナルはなぜ22年ぶりにプレミアリーグを制したのか?アルテタが変えた守備の正体

10-20代向け
約6分で読めます

この記事のポイント

  • アーセナルがなぜ22年ぶりにプレミアリーグを制したのか
  • 19クリーンシート・コーナー18点という記録づくめの今シーズンを、サッカーを知らない中学生にもわかる視点でひもとく

アーセナルって、最近すごく話題だよね。でも「22年ぶり優勝」って言葉を見ても、それがどのくらいすごいのかピンとこない人も多いはず。

  • 2026年5月19日、アーセナルが22年ぶりにプレミアリーグを制覇した
  • 19試合無失点という鉄壁の守備と、コーナーキックから18点(リーグ新記録)が優勝の原動力
  • 監督のアルテタが2019年末から6年半かけてチームを作り直した結果
  • 5月30日にはブダペストでPSGとのCL決勝も控えている
  • 今の中学生が生まれる前から続いた「空白の22年」がついに埋まった

22年ぶりって、どのくらい長いの?

今の中学生が生まれる前から、アーセナルはずっと待ち続けていました。

2003-04シーズン。アーセナルはプレミアリーグ38試合で1度も負けずに優勝しました。「インビンシブルズ(無敵のチーム)」と呼ばれた、あの伝説のチームです。それから22年。2004年生まれの人がもう22歳になった計算です。

その間、チームは何度も「今年こそ」と期待させてきました。2022-23シーズンと2023-24シーズンは2位。目の前で優勝を逃す経験を2年続けた後、2025-26シーズンにようやく頂点に立ちました。

優勝が決まったのは2026年5月19日。アーセナル自身がゴールを決めたわけではありません。別の試合でマンチェスター・シティがボーンマスと1-1で引き分けた瞬間に確定しました。遠く離れた場所で決まった、不思議な優勝でした。

今の中学生のお父さん・お母さんが中学生だったころから続いてきた「空白」が、ついに埋まったわけです。

この「待ち続けた22年」が何を意味するのか、次のセクションで数字と一緒に見ていきましょう。

今シーズンのアーセナルが強かった3つの理由

優勝は「運」ではなく、数字に裏打ちされた強さでした。

鉄壁の守備。 37試合で19試合も無失点(クリーンシート)を達成しました。2試合に1回以上ゴールを許さない計算です。守護神のダビド・ラヤは今季も「ゴールデングローブ賞(最優秀GK賞)」を受賞し、3年連続の快挙になりました。失点数29は、欧州5大リーグ(イングランド・スペイン・ドイツ・イタリア・フランス)でも最少水準です。

セットプレーの得点力。 コーナーキックから18点を奪い、プレミアリーグの新記録を打ち立てました。普通のチームはコーナーキックから1シーズンで5〜8点しか取れません。その2倍以上です。コーナーの仕組みについては、次のセクションで詳しく見ていきます。

エースの覚醒。 夏に加入したヴィクトル・ギョケレス(スウェーデン代表FW)が14ゴールを記録しました。シーズン前半は「適応できていない」と批判されていましたが、後半戦に覚醒。負け試合を引き分けに、引き分けを勝ちに変える一撃を何度も決めました。

この3つが組み合わさって、28勝・得失点差+62というデータが生まれました。

コーナーキックから18点の秘密

サッカーの試合では、ゴールキーパーが取れなかったボールがコーナーから蹴り直されます。このコーナーキックから得点する確率は、通常1回あたり約2〜3%しかありません。

アーセナルはデータ分析チームが「どのエリアに誰が走れば確率が上がるか」を徹底的に計算しました。試合ごとに相手チームの守備の弱点を分析して「この選手を、このタイミングで、このコースに走らせる」という動きを設計します。まるでゲームの攻略チャートを実際のピッチで実行するようなやり方です。

この戦術的なコーナーキックが1シーズンで18点という前例のない数字を生み出しました。

アルテタが6年半でやり遂げたこと

アーセナルを変えた人物は、監督のミケル・アルテタです。

スペイン出身の42歳(優勝決定時)。選手時代にアーセナルでもプレーした経験があり、2019年12月に監督に就任しました。当時のアーセナルはリーグ8位。チームの雰囲気も崩れていました。

アルテタが最初にやったのは「ルールを作ること」でした。練習の開始時間、食事の管理、試合前の準備のルーティン。細かいことを全部決め直して、チームに統一感を持たせました。部活で顧問の先生がチームの雰囲気を立て直すイメージと似ています。

それでも優勝まで6年半かかりました。今シーズンは4月に失速してマンチェスター・シティに首位を一時的に明け渡す場面もありました。ここから4試合連続無失点・4連勝で首位に返り咲きました。

「諦めない」という姿勢が、チーム全体に染み込んでいたのかもしれません。CL決勝も、その精神で挑みます。

5月30日のCL決勝——PSGに勝てる?

プレミアリーグ優勝だけでなく、アーセナルは欧州最大の舞台にも立ちます。

5月30日(現地時間)、ハンガリーの首都ブダペストで開かれるUEFAチャンピオンズリーグ決勝。相手はパリ・サンジェルマン(PSG)です。PSGは昨シーズンの覇者(ディフェンディングチャンピオン)で、準決勝でバイエルンを6-5という激戦の末に下した強豪です。

アーセナルは今シーズンのCLで14試合負けなし。準決勝でスペインのアトレティコ・マドリードを破って決勝に進みました。

アーセナルにとってCL決勝は2006年以来20年ぶり2度目。あのときはバルセロナに2-1で敗れました。今回は「その借りを返す」挑戦でもあります。

強みはアーセナルの守備。PSGのエース・デンベレとクヴァラツヘリアを止められるかが勝敗のカギです。ESPNの予想は「PSG 2-1 アーセナル」ですが、14試合無敗のデータを持つアーセナルにも十分な勝機があります。

アーセナルについての5つの疑問

Q. プレミアリーグって何?どのくらい有名なの?

世界196カ国以上でテレビ中継されているイングランドのサッカーリーグです。スペインのラ・リーガ、ドイツのブンデスリーガと並ぶ「欧州3大リーグ」のひとつで、世界でもっとも視聴者が多いスポーツリーグのひとつとされています。今シーズンのアーセナル優勝は世界中で同時に報道されました。

Q. アーセナルの「無敗の年」って本当にあったの?

本当です。2003-04シーズン、アーセナルはリーグ38試合で26勝12分0敗を記録しました。さらにその翌シーズンにかけて、プレミアリーグ49試合連続無敗という記録も樹立しています。この記録は今も破られていません。2003-04当時の中心選手ティエリ・アンリは今も「伝説のストライカー」として語り継がれています。

Q. マンチェスター・シティはなぜ首位を守れなかったの?

シティは4月に首位に立ちましたが、得点できない試合が続きました。最終的に2試合を残してアーセナルに勝ち点で届かなくなり、アーセナルの4連勝とシティの引き分けが重なった結果です。

Q. チャンピオンズリーグはプレミアリーグと何がちがうの?

プレミアリーグはイングランド国内のリーグ戦です。チャンピオンズリーグはヨーロッパ各国のクラブが集まる国際大会で、「欧州一のクラブはどこか」を決める最高峰の舞台です。プレミアリーグ優勝とCL優勝を同じシーズンで達成することを「二冠」と呼びます。

Q. ブカヨ・サカってどんな選手?

イングランド代表の右ウイングで、今シーズンも得点・アシスト両面でチームを牽引しました。22歳で技術の高さと勝負強さから「イングランド次世代のエース」と呼ばれています。CL決勝でも先発出場が予想されています。

アーセナル再建の本質は「守備から生まれた自信」

なぜアーセナルは22年もかかったのでしょうか。

答えのひとつは、「守備を作り直すのに時間がかかった」ことです。アルテタが就任した2019年、アーセナルは攻撃に頼りすぎて守備が崩れやすいチームでした。6年半かけてサリバとガブリエウという世界水準のセンターバックコンビを育て、GKのラヤを3年連続最優秀に育てた結果、今季の「欧州最少失点」に近い守備が生まれました。

守備が安定すると、攻撃選手は「失敗しても大丈夫」という安心感を持てます。サカが仕掛け、ギョケレスが走れるのは、後ろが崩れないという信頼があるからです。

22年ぶりの国内制覇に続き、5月30日にはブダペストで20年ぶりのCL決勝が待っています。「インビンシブルズの再来」と呼ばれる日が来るかどうか、注目です。

なぜ流行っているのか?

アーセナルの22年ぶりプレミアリーグ優勝がトレンドになった背景には、2022-23・2023-24シーズンと2年連続2位という悔しい経験を経た末の達成という物語性がある。監督アルテタの就任6年半という長い準備期間と、今シーズンの記録的な守備力(19クリーンシート・欧州最少失点水準)が結実した点でファン以外にも響く。さらに5月30日のCL決勝(vs PSG)が控えており、プレミアと欧州の二冠への期待が高まっている。日本でも海外サッカーファンを中心にSNSでの拡散が顕著で、Yahoo!リアルタイムではアーセナル関連ワードが複数同時トレンド入りした。

シェア

この記事の根拠

一次ソース 2件エビデンス 1件参考資料 2件

▶ファクトチェック結果を確認する

アーセナルの22年ぶりプレミアリーグ優勝は2026年5月19日、マンチェスター・シティがボーンマスと1-1で引き分けたことで確定(サッカーキング2026年5月20日報道)。前回優勝は2003-04シーズンで「インビンシブルズ(38試合無敗)」と呼ばれる。アルテタ監督は2019年12月就任。今シーズンは37試合で19クリーンシート達成、コーナーキックからの18得点はプレミアリーグ記録(サッカーキング統計)。ヴィクトル・ギョケレスは14ゴール。ダビド・ラヤは3年連続ゴールデングローブ賞。CL決勝は5月30日ブダペストでPSGと対戦予定(UEFA公式)。

出典・参考リンク