有原航平が100球ちょうどで完封——マダックスまであと1球だったのに、なぜ「惜しかった」ってなるの?
この記事のポイント
- 有原航平が2026年8月2日に100球ちょうどで完封
- 野球ファンが「惜しかった!」と騒ぐ理由は、99球以下で完封する「マダックス」まであと1球だったから
- その記録の意味と歴史を全部ひもとく
目次
100球の完封なのに「惜しかった」はなんで?
2026年8月2日、日本ハムの先発・有原航平がロッテ相手に9イニングを投げ切った。被安打3、四球ゼロ、失点ゼロ——どこから見ても完璧な投球だ。でも試合後、SNSには「惜しかった!」「あと1球!」の声があふれた。
完封しているのに、なぜ「惜しい」ってなるの? その答えが「マダックス」という記録にある。
- 有原航平は2026年8月2日の対ロッテ戦で9回・100球・3安打・無四球・無失点の完封。日ハムが3対0で勝利。
- 「マダックス」とは99球以下で完封する記録のこと。有原は100球ちょうどで、あと1球少なければ達成だった。
- 名前の由来はMLBの伝説投手グレッグ・マダックス。2012年に野球ライターが命名した。
- マダックス自身が1988年以降のMLBで13回達成し、これは史上最多。
- 有原は今日の完封でNPB通算1000奪三振まであと3個に迫っている。
「マダックス」という言葉の正体から始めよう。
グレッグ・マダックスが「27球で27人」を語ったワケ
「マダックス」は公式記録ではなく、野球ファンやメディアが使う通称だ。定義はシンプルで、「先発投手が99球以下で完封すること」。
名前の由来になったのはMLBの殿堂入り投手グレッグ・マダックス(1966年生まれ、2014年殿堂入り)だ。現役時代、彼は「27個のアウトを27球で取るのがベスト」と公言し続けた。「できるだけ少ない球数で相手を打ち取る」ことを野球の美学として語り続けた投手だった。
彼の考えはこうだ——奪三振はかっこいい。でも三振を取るには球数が増える。球数が増えると後半に疲れが出て、打たれやすくなる。だから「打たせてアウトを取る」ほうが、9イニングを通じて賢い。授業に例えると、長く難しい説明をするより「要点だけ伝えてスッと終わる」タイプの投球だ。
2012年、アメリカの野球ライター、ジェイソン・ルークハートがこの哲学に「マダックス」と名付けた。マダックス本人は1988年以降のMLBで13回達成しており、これは史上最多。8回以上達成した投手は他にいない。
「27球で27人」という理想は今も遠い夢だが、「99球以下で9イニング」というラインは、投球効率の象徴として野球界に根付いている。次のセクションで、今日の有原の投球がいかにその象徴に迫ったかを見ていく。
2026年8月2日、有原航平の100球完封の全記録
今日の舞台はエスコンフィールド北海道(北広島市)。日ハム対ロッテの一戦だ。
有原は初回から丁寧に打者を打ち取り続けた。カットボールとチェンジアップが切れ、ロッテ打線は9イニングで3安打しか打てなかった。四球はゼロ。1球1球が「最短ルートでアウトを取る」投球で、テンポが良く、気づけば試合が進んでいた。
打線も援護した。2回に有薗直輝が右翼線への適時二塁打で先制し、3回にレイエスが左越え23号2ランで3対0に。余裕ある展開が、有原の省エネ投球をさらに後押しした。
9回を投げ終えて球数は100球ちょうど。あと1球少なければマダックス達成だった。試合後、新庄剛志監督は「3月からこのピッチングを待ってました。最高の形で」と称えた。
今日の9奪三振は今季最多で、NPB通算奪三振は997個。次の登板で1000奪三振という節目も見えている。今日の1球の差は、記録と記録の狭間に立つ日だった。
日本プロ野球でマダックスを達成した投手たち
NPBでの最初のマダックス達成は1943年10月12日。名古屋軍の石丸進一が95球で完封したとされている。
NPB史上で最も球数が少ないのは1952年5月11日、柴田英治が71球で完封したケース。現代野球では想像もできない数字だ。
2006年には山本昌がマダックスとノーヒットノーランを同時に達成。さらに2024年6月12日には、ファイターズの伊藤大海とライオンズの隅田知一郎が同じ日にマダックスを達成した。これは1966年以来58年ぶりの「同日マダックス2件」だった。
技巧派投手の「勲章」とも言われるこの記録。力で三振を取るのではなく、打たせて打ち取る投手だからこそ達成できる。それが今日の有原の投球にも重なる。
投球数が少ないと何がそんなにいいの?
「球数が少ないことが、なんでそんなに価値があるの?」という疑問は正直な疑問だ。
投手の肩や肘は消耗品で、一度壊れたら復活が難しい。NPBでは「1試合100球を目安に交代する」チームが多い。球数が増えれば早めに交代になり、強力なリリーバーも多く使う必要が出る。チームのスタミナが削られる。
逆に言えば、99球以下で9イニングを投げ切れるということは「相手全員を、少ない球数でアウトにし続けた」ことを意味する。打者はプロで、1球1球をしっかり見て粘ってくる。それを99球以下で封じるのは、並大抵のことではない。
有原の今日の100球は意図的ではないはずだ。でも「1球の差」という事実が、効率の極致へどこまで近づけるかを問いかけている。
よく出てくる疑問に答えると
Q. マダックスって公式な記録なの?
公式ではなく通称です。NPBやMLBの公式記録集に載っているわけではなく、ファンや野球ライター・メディアが使うデータ用語です。それでも野球ファンにとっての「ロマン記録」として広く親しまれています。
Q. 今日の有原は、あと1球を意識してたの?
試合後のコメントに「マダックス」への言及はありませんでした。プロの投手は記録より目の前のアウトを優先するので、100球という数字は後から明らかになった結果です。
Q. NPBでマダックスは今まで何回?
詳細な公式カウントはないですが、1943年の初達成以来、複数回記録されています。2024年には伊藤大海と隅田知一郎が同日達成し、58年ぶりの出来事として話題になりました。
Q. 有原航平ってどんな投手なの?
1992年生まれ。2025年オフに日本ハムと契約し、2026年シーズンはここまで3勝6敗。今日の完封で通算完封9回目、通算奪三振は997個になりました。次回登板でNPB1000奪三振という節目が見えています。
Q. 完封と完投は違うの?
完投は「最初から最後まで一人の投手が投げ切ること」で、点を取られても完投にはなります。完封は「完投かつ無失点」が条件。マダックスはその完封のさらに上、「完封かつ99球以下」です。
「1球の差」が教えてくれる投球術
有原航平の今日の100球完封は、結果として完璧に近い投球だった。でも野球ファンが「惜しかった」と声を上げたのは、それだけ「99球以下」という水準が特別だからだ。
グレッグ・マダックスが「27球で27人」という理想を掲げたのは60年近く前のこと。その哲学が「マダックス」という言葉になって、今日の日本プロ野球にも届いている。有原は次回登板でNPB1000奪三振という節目も見えている。1球1球が積み重なって記録になる——それがプロ野球の面白さだ。
なぜ流行っているのか?
有原航平が100球ちょうどで完封したことで、99球以下の完封「マダックス」まであと1球に迫ったと判明。SNSでは野球ファンが「惜しい!」と反応し、「マダックス」がトレンド入り。マダックスという言葉を初めて知ったユーザーの検索も急増している。有原は今季3勝6敗ながら今日の省エネ投球がファンの心をつかんだ形だ。また通算1000奪三振まであと3個という節目も重なり、複数の話題が同時に浮上した。
この記事の根拠
一次ソース 1件エビデンス 2件参考資料 2件
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有原航平の2026年8月2日の試合結果: 日ハム3対0ロッテ(エスコンフィールド北海道)。有原は9回完封、球数100球、被安打3、無四球、9奪三振(今季最多)。マダックスの定義(99球以下の完封)はWikipedia「マダックス(記録)」および複数の野球メディアで確認済み。グレッグ・マダックスの1988年以降の達成回数13回はMLB最多で、2012年にジェイソン・ルークハートが命名したことはWikipediaで確認。NPBの初達成(1943年・石丸進一95球)および最少球数記録(1952年・柴田英治71球)はWikipedia記載。